先ずは簡単にカップ麺で朝食をすませてテントの撤収です。 テントの撤収は同行者のマコちゃんに頼んでにゃこ丸は最終日の上陸地点まで車を回送します。
車が1台しかない場合のカヌーツーリングは、出発地点と上陸地点が離れているという問題に直面します。 車が2台あってもそれは変わらないのですが、車2台の方がスムーズに解決出来ます。
車が1台しかない場合は上陸地点に車を回送したあと出発地点まで戻るのに
・ヒッチハイク
・バスやタクシーの交通機関
・チャリを積んでいってそのチャリで自力で戻る
出発地点に車を置いてスタートする方法もありますが、基本的な考えは同じです。
今回のような2泊3日のツーリングですと律儀に漕いで行けば50キロは進みますのでそれだけ回送問題は深刻になります。
にゃこ丸達はほぼ流れに任せたツーリングなので江川崎から高瀬沈下橋まで約25キロです。まあそれでも公共交通機関の貧弱な川沿いを25キロ移動するのはまあまあ大変です。
高瀬沈下橋から出発地点の江川崎への戻りはまずヒッチハイクからスタート。
田舎道では都会よりヒッチハイクで停まってくれる車の割合は断然高いです。
しかし、いかんせん通る車の絶対数は少ないです。
ヒッチハイクに必要なのは営業で磨いたサラリーマンの爽やかな笑顔です。
7:30位からヒッチハイクを始めて5台目で軽トラが停まってくれました。
わけを話すと途中の口屋内地区まで行って頂けるよう。
そこから江川崎まではバスがあるのを調べていたので問題なし。
口屋内に着いて改めて時刻表を見ると15分程でバスが出るようです。
バスを待ちながらもヒッチハイクしましたがヒットせず。おとなしくバスに揺られる事に。
江川崎のバス停から15分程歩いて出発地点の河原まで戻ったのが9時過ぎでした。
ほぼ予定通りの回送行程でひと安心。
そんな事をクリアしてようやくツーリングスタート。 ビールはたっぷりあります。
天気は快晴、風は微風で絶好のカヌーツーリング日和です。 カヌーツーリングの一番の敵は向かい風ですね。風が無いのは何よりです。
ちなみに一番怖いのは落雷なんです。ツーリング中は逃げるところが無いんで。
このツーリング初日のテーマは、四万十川天然落鮎を釣師に売って頂き、昼食としてビールプラスおつまみに焼き鮎。
夕食に鮎ご飯を堪能するという魅惑のテーマがあります。
さてさて、いざツーリング出発です。
漕ぎ出してまず感動したのが四万十川の水の澄み具合です。最初思ったのは「このまま飲めるな」でした。
聞いてはいましたが実際に体験すると本当に驚くほど綺麗な水です。
われわれは最初に言った通り基本漕ぎません。
ダブルパドルはほぼ手元に置いたまま。
漕ぐのは方向転換の時と、瀬と呼ばれる急流のみ。あと瀞と呼ばれる水の流れが止まっている水域からの脱出くらいですね。
パドルを動かしている時以外はビール飲んでるか、目を閉じて川の音や風の音、鳥の鳴き声を聴いているかですね。
とても幸せな時間です。
午前中は川上からの風が吹く事が多いので楽チン。なので出来る限り昼食は後にします。
昼食はだいたい14時くらいかなー。
初日のテント場も明確に決めていないので行き当たりバッタリです。
例の鮎ゲットミッションは、釣師に誰彼無差別に声はかける事は致しませぬ。
釣りファッションをビシッと決めているのは都会の週末釣師はパス。
カヌーイストの共通認識で、都会の鮎釣師は嫌な奴が多い!です。
彼らもカヌーイストは敵ですけどね。
声を掛けさせて頂くのは、軽装・地下足袋で昔ながらのビクを腰にぶら下げている地元の釣師の方がベストです。
そうは言ってもなかなか声をかけづらいものです。
そんなこんなで昼食地点までどなたにもアプローチ出来ず、少し鮎の事が心配になりながら上陸して昼食の準備。
そこは広大な河原で人影少ない、テント場としてもベストポイントでした。
お昼を食べた後の行程をどうしようか思案しながら昼食の準備をしていると、少し強面の丸坊主のオジさんが近寄ってきます。
柔らかな雰囲気は感じられたので身構えることも無く話をしたらやはり地元の方で、暇だから鮎釣りに来たとの事でした。
こちらの素性や四万十川にカヌーツーリングに来れてとても嬉しい事を話していると、おもむろに「これ食べろや」とビクを差し出すんですよ。
中をみたら10匹位の鮎が入っていました。全部くれると仰る。嘘みたいな展開ですよね。
鮎は飽きてるから食べてくれると嬉しいとのこと。
もちろん有り難く頂きました。
沢山の鮎を目にしたいま、この日カヌーを漕ぎ出す事が二人とも億劫になってしまい、その日はここをキャンプ地に決めてのんびりする事に。
何ともまあ自堕落なカヌーツーリングでしょう!
続く