舞妓はん芸妓はんで
お座敷遊び出張サラリーマン
決死のプロジェクト③

さて、S会長の真っ当なご意見のせいで劣勢に立たされたお座敷遊び推進派。
巻き返しのためその夜の懇親会では中立派への懐柔工作からスタート。

その時の殺し文句は、
「男として生まれたなら一回くらい京都の祇園で芸者遊びしたいっしょ! それが出来る最後のチャンスですよ」
人はみな「最後のチャンス」に弱いですね。
お座敷遊び中立派はこれでほぼ賛成派へ。

S会長以外の反対派の中でにゃこ丸が個人的に親しくしてて、恐らくお座敷遊びの本懐を理解してない方々へのアプローチへと移行。
こちらへも先程の殺し文句を囁きました。
追加の囁きは「貴重な文化体験をしてみたく無いですか?」
「芸妓舞妓さんの文化的及び社会的地位は江戸以前から歌舞伎役者と同等の地位である事から判るように、邪な考えで遊ぶ場ではない」

邪なにゃこ丸はこうして反対派の切り崩し工作遂行しました。
切り崩し工作は華々しい成果を上げ、こうして多数派工作成功と相成ったわけです。

どうでも良いのですが、その懇親会の席でもS会長はご高説を宣ってましたわ。アホか!

その会の行事決定は基本的に多数決か事務局一任。
定例会の日の戦いの後日会員にはアンケートが届きました。

1.〇〇研修旅行
2.△△研修旅行
3.事務局一任

会員さんは誰もが社員が沢山いる会社の社員さん。なので誰が目を通すか分からないアンケート用紙の選択肢によもやお座敷遊びとは書けない!
事務局一任イコールお座敷遊び!
結果はもちろんお座敷遊び圧勝!

ここからはN事務局長の独壇場。
プロダクション選定、日程調整と大変だったはず。通常の研修行事は部下に任せるのですが、流石にお座敷遊びは別格。
ご自分でこのプロジェクトを完遂させるんだとの並々ならぬ意気込みを感じました。 さあ、準備は着々と進みいざ京都へ。

続く