旅猫は見た:普通の人列伝

市井の人々の人生を垣間見る

あの日のクラブ華菱 ①初出勤

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クラブ華菱に最初にバイトに入ったのは確か大学入学した年の1年目の秋。
テニス部の先輩に声を掛けられてノコノコとついて行きました。
それまで家庭教師をしてたのですが、ダメ教師の自覚と、あまり需要がないためお金にならないので夜の商売に鞍替えしたわけです。

初めての入店はもちろん裏の勝手口から。もちろん挨拶は、おはようございまーす!
この第一回おはようございます、意外と抵抗なく声を出せました。

で、ボーイの更衣室になってる物置に案内されて、持参の白シャツ黒ズボン、共有の黒ぐつとベストを着用してフロアーデビュー。

17:30まだホステスさんは誰もいません。いるのはお母さん。そうママのお母さん。
そのお母さんに初めましてのご挨拶をしたら緊張が解けました。なんだか、自分のお袋に似てたので。

その後先輩から開店準備の手順をレクチャー受けながらこなしていく。開店準備は簡単なのですぐ覚えました。
ちなみに華菱で出すミネラルウォター(略称ミネ)は簡易浄水器を通して、サントリーミネラルウォターの小瓶に注いだだけのもの。
これで500円。うーん水商売!

お客さんも薄々は気づいてますけどね。
ただ、浄水器からはチョロチョロとしか出ないから、メンドくさくて浄水器からフローさせながら注ぐとママに注意されましたね。
瓶の内側に細かな泡が付くのでバレるんです。流石ママ。

そしてホステス陣が三々五々出店してきます。若いホステスさんの初見は冷たいですよー。 お前だれ?的な。18歳の少年はまあまあ凹みます。

まあ、いま考えると小娘がドロドロした大人の世界で生きていく訳ですから、尖ってないとやっていけないんですよね。

逆に人当たりの良い若いホステスさんがやばい人とお付き合いしてたりして。
その人当たりの良いホステスさんとヤバイ彼とのイザコザはまた後日語ります。

19時位になるとお一人様がチラホラ。
玄関を開けると電子音の合図があるので、ホステスさんは待機場所の1番テーブルから立ち上がり、我々も満面の笑みでお迎え。

お客様が着席するとボーイがいそいそとおしぼりとアイス、ミネ、の基本セットをお持ちし、ホステスさんにボトル名を聞いて探します。
この辺りの流れはいまでも変わりませんよね。

お客様は一見さんとそれ以外のお客様に別れます。それ以外の2回目以降のお客様には係のホステスさんがいる事が多いです。
その係の決め方はまた後日。
係がいれば指名を聞いて指名のホステスさんを呼びに行く。売れっ子ホステスさんは他のテーブルに行く事も多くなるので、自分の仲間内を指名してお客様をガードする戦法が一般的。
まあそこには自然と派閥内での力関係が発生するわけですわ。

先程お前だれ?って睨んできた若ホステスさんももちろん営業中はにゃこ丸にも笑顔で接してくれます。
しかし裏の厨房前の溜まり場でタバコ吸ってる場所に行くと、またなんだお前?って睨んでくるんですよ。なんにもしてないのにさ。

凹みながら12時までの営業を終わると、お疲れサマーってホステスさん達は帰って行きます。その時は皆さん笑顔でした。

そんな感じで水商売の世界に船出したわけです。続きはまた!

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